Screening Program

〈うつること〉と〈見えること〉 —映像表現をさぐる:60年代から現在へ

2025 6.6 Fri 6.8 Sun

大阪市中央公会堂 1階 大集会室

入場無料

ブログラム・キュレーション 梅津元(批評家/キュレーター)
企画協力 石田克哉(MEM)

萩原朔美《KIRI》16mmフィルム(オリジナル) 9分 1972 © Hagiwara Sakumi

映像の到来を告げる実験映画やビデオアート、現代美術における映像を導く表現の原理的な探索、来るべき映像表現を希求する、越境し、批評し、再帰する、現代の表現者たち。映像に囲まれた世界において、いま、ここで、光学的な機構と電気的・電子的な装置を介した〈うつること〉の根源に向き合う。「宿命的に、〈見えること〉とは何かをテーマにしないとならない」*、その声を契機として。

*「キカイデミルコト」における萩原朔美の発言。

プログラム

  • A 「キカイデミルコト―日本のビデオアートの先駆者たちー」

    監督:瀧健太郎 企画・制作:ビデオアートセンター東京 2013年 82分

    本作に登場する主な作家:阿部修也、安藤紘平、飯村隆彦、出光真子、かわなかのぶひろ、久保田成子、マイケル・ゴールドバーグ、小林はくどう、中嶋興、中谷芙二子、萩原朔美、松本俊夫、山口勝弘、山本圭吾、和田守弘

  • B 映像の到来:実験映画、ビデオアート、現代美術

    • 飯村隆彦 《くず》 1962年 11分57秒

    • 萩原朔美 《KIRI》 1972年 9分

    • ⼭崎博 《HELIOGRAPHY》 1979年 6分

    • 松本正司 《CYCLE》 1969年 20分19秒

    • 柏原えつとむ 《サタワル》 1971年 18分

    • 野村仁 《カメラを⼿に持ち腕を回す》 1972年 11分47秒

    • 中塚裕子+林剛+持田明美 《THE COURT 天女の庭/テニスコート》 撮影年1983年 15分

    • 奧⼭順市 《我が映画旋律》 1980年 7分

    • 河合政之 《Video Feedback Aleatoric No.1》 2011年 3分11秒

    • 瀧健太郎 《序 prologue》 2004年 6分29秒

  • C 表現の探索:美術家による映像

    • 村岡三郎・河⼝⿓夫・植松奎⼆(共作) 《映像の映像−⾒ること》 1973年 12分30秒

    • 今井祝雄 《円》 1967年 4分3秒

    • 福岡道雄 《男の美学》 1967-68年 3分24秒

    • 堀浩哉 《READING Session No.3》 1974年 20分

    • 森村泰昌 《銃を持つ私/ウォーホルに捧げる》 1998年 2分40秒

    • 松井智惠 《HEIDI 46 — brick house》 2006年 15分27秒13

    • 白井美穂 《The Creative Act》 2007年 11分35秒

    • 藤本由紀夫 《duet》 2021年 6分11秒

  • D 来たるべき映像表現:越境性、批評性、再帰性

    • 折笠良 《みじめな奇蹟》 (日本語版)2023年 8分17秒

    • 鈴⽊了⼆ 《物質試⾏ 43「CAHIERS|覚書」》 2001年 8分51秒

    • ⼩松浩⼦ 《内包浸透現象》 2019年 7分30秒

    • ⾦村修 《Topless Beaver Drive》 2019年 11分47秒

    • 石原友明 《眼投げ。》 2022年 2分36秒

    • ⾼嶋晋⼀+中川周 《No experience necessary #1》 2022年 8分1秒(ループ作品)

    • 三宅砂織 《Seascape(Suzu)2》 2024年 11分(ループ作品)

    • 牧野貴 《The Low Storm》 2009年 15分

    • 葉山嶺 《The knot of meridian/子午線の結目》 2015年 11分4秒

シンポジウム

「うつる像/見える像-映像表現の在処」

6月7日(土) 15:20~18:00

  • 第1部: 15:20~16:30

    1960年代以降の日本における映像表現と美術の関係を探ります。

    登壇者

    モデレーター:
    梅津元 氏 (批評家/キュレーター)
    パネラー:
    植松奎二 氏 (彫刻家)
    坂上しのぶ 氏 (美術史家)
    田坂博子 氏 (東京都写真美術館学芸員)
  • 第2部: 16:40~18:00

    国際的視点で日本の映像表現の特質と可能性を探ります。

    登壇者

    モデレーター:
    田坂博子 氏 (東京都写真美術館学芸員)
    パネラー:
    牧野貴 氏 (映像作家)
    坂上しのぶ 氏 (美術史家)
    梅津元 氏 (批評家/キュレーター)
    ユランダ・ブレア 氏 (M+ キュレーター)
    孫松榮 氏 (台北芸術大学 教授、映像学博士)
シンポジウム詳細はこちら

プロフィール

梅津元 (批評家/キュレーター)

1966年神奈川県生まれ。1991年多摩美術大学大学院美術研究科修了。モダニズム以降の芸術の可能性を探るため、美術、写真、映像、音楽に関わる執筆や企画を中心に領域横断的な活動を展開。
主な企画:「DE/construct: Updating Modernism-阿木譲をめぐる3つのプログラム」NADiff modern & SuperDeluxe(2014年)、「トランス/リアル-非実体的美術の可能性」ギャラリーαM(2016-17年)、「樋口朋之 DUB/stance」The White(2024年)。埼玉県立近代美術館学芸員(1991-2021年)としての主な企画(共同企画を含む):「〈うつすこと〉と〈見ること〉-意識拡大装置-」(1994年)、「ドナルド・ジャッド 1960-1991」(1999年)、「プラスチックの時代|美術とデザイン」(2000年)、「DECODE/出来事と記録-ポスト工業化社会の美術」(2019年)など。

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助成

芳泉文化財団